イタリアに住んでいる頃、そこそこのデザインのものがそこそこの...いや、とっても安く手に入るIKEAイケアが欠かせませんでした。
自分の理想通りの家具やインテリア小物が見つからなかったとしても、「今のところはこれで代用しておくかな...(で、結局何年も使う)」とか「カスタマイズしちゃうかな!(で、ぐちゃぐちゃにしてしまう)」みたいなものを気軽に購入できるのがイケアの魅力だと思います(やりすぎはゴミを増やすけど)。また、「こんなに買ったのに合計金額がこれだけ!」という満足感がたまりません。まぁ、イケア好きのほとんどの人が感じている事だと思います。
がっ!マルタにはイケアが無い。しかも、これから上陸する予定もまったく無い(イケアがそう言っている)らしい。
それでも、ベッドカバーを買ったらタグにIKEAのロゴが!

いや、KIMだった(-_-) 。
マルタの家具事情
では、イケアの無いマルタでの家具市場は、いったいどの様なことになっているのでしょうか?
物の割には値段が高い
そりゃ、イケアの家具ばかり買っていた私にすれば、イケア以外の家具の値段は全部高いのです(汗)。しかし、高いと言っているのは私一人ではありません。友人知人の多くが同じことを口にしています。
高級家具やデザイナーズ家具が高いのは承知の上です。問題は、「イケアで50ユーロで売られているものよりもデザイン・質がグーンと劣る本棚が、イケアの三倍の価格で売られている。」という事です。値段的に安い家具が無いわけではありません。しかし、それでも「えっ?コレがそんなにするの!?」とか「安いかもしれないけれど、それはちょっと…」と思ってしまう代物ばかりなのです(-_-)。
そもそも手頃な家具の種類が少ない(特にゴゾ)
家具に沢山お金をつぎ込めるのならば何も問題はありません。いざとなれば、地球の裏側からだってお取り寄せできるのだから。しかし、手頃な価格で気に入った家具を購入したいとなると、選択幅がかなり狭くなります。
マルタ島ならば、イケアもしくはニトリ風(あくまでもフウ)の大型家具店が数軒あるので、多少は選べるのではないかと思います。
が、ゴゾ島には大型店など存在せず…私の近所で手頃な値段の家具を買えるお店といったらこの辺り...

街の家具屋さんといった感じの店。店内の家具の趣味はバラバラ。
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木工職人が家具を作ってくれるお店。家具の種類の大半はウッディ調。お店の中に完成している家具(売り物かサンプルかは不明)もあるので、その中に気に入ったタイプの家具があれば、案外安く作ってもらえる。(うちの大家さん談)
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と、この2タイプの店が数軒あるだけです。
後者の手作りタイプに関しては、家具工房のみで店舗無しの方が多いかもしれません。
私の借りている家具付きアパートのクローゼットもウッディ調なのですが、あれは手作りなのかなぁ...?上1枚目の写真の店(gozo arts)や家具屋の広告で全く同じものをよく見るので、工場大量生産なのかもなぁ。

うちにある工場大量生産と思われるウッディ調クローゼット。こういうのが全部で3棹あります。隣のドアは木工職人さんが作ったものです。
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で、このウッディクローゼット、ゴゾには同じ物がかなり存在すると思われます。
ネットでプチホテルや家具付きアパートのお部屋紹介写真を見ると、これと全く同じもの+このシリーズのテーブル、いす、キャビネット、キッチン等々がズラーと出てきます。きっと、一番安くて無難な家具なんだろうなぁ。これぞ「THE 手頃な家具」なのかも。
ちなみに、数々のお部屋紹介写真の中には、このウッディ調の安い家具で揃えたお部屋の数と同じくらい、金ピカ家具に嘘っぽいフランス人形、トラの毛皮、ピンクの壁にキリスト像etc...で埋まったお部屋の写真もありました。薄々気が付いていましたが、金ピカ趣味のマルタ人は多い(@_@)。実際、街中には金ピカで趣味の悪い装飾品の店が沢山あります。ま、お部屋の趣味は人それぞれ。そういうのが好きな人に言わせれば、私の部屋など超貧乏臭いはずだしね(^_^;)。
実はマルタにいながらイケア商品を買う方法がある
お手頃家具に乏しいマルタでは、イケアがないにもかかわらず、どーゆーわけだかイケア家具を使った内装をよく目にします。
「イケアのオンラインショップで購入しているのでは?」
と思うでしょう。しかし、近隣国のイケアオンラインショップでは、マルタへの配送は一切行っていないのです。
「ということは、外国まで買いに行くの?」
それもあるでしょうが、それだけではないのです。
イケア商品の購入・配送代行サービス
なんと、以下のウェブサイトでは、イケアのカタログから選んだ商品の購入・配送を代行、自宅の玄関先まで届けてくれるサービスを行っています。
イケアのないマルタでは、こういったビジネスが成り立ってしまうのですなぁ。
イケア本部の気が変り、マルタにイケアが上陸してしまったら、きっと消えてしまうだろうサービス...まぁ、「国が小さすぎて儲からねーよー! 」と、イケア側が言っているらしいので、この先も消えずにがんばって行けるビジネスでしょう。
で、でして、このサービス。大半の会社が、合計購入金額の20~25%を送料として提示しています。お買い物合計金額が1000ユーロで200ユーロの配送サービス料金ならば、まぁまぁお得じゃないかな?
一番近場のシチリアのイケアへ車&フェリーで行くにしても、フェリーの車料金だけで往復300~500ユーロかかりますからね。どうしても自ら出向いて購入→持ち帰りたいとか、シチリア観光も兼ねたいのならば、安いもんでしょうが。
おわりに
わたくしの住んでいる家は、家具付きアパート+イタリアからいくらか家具を運んできたおかげで、特に家具を買う必要はないのですが、このリビングの壁が真っ白のままなのをどうにかしたい...でも、変な物を置くくらいならば何もない方がマシ。いっそバレエバーでも付けてしまおうか(娘は喜びそう)。
お客さんが来る度に「最近引っ越してきたの?」と訊かれてしまうのよね(汗)。

ウォールシェルフか何かを付けたいと思っているものの、気に入った物が全く見つからないまま2年半が過ぎてしまった。
[…] 2年ほど前、『マルタ共和国にはIKEAイケアがない』という記事の中で、 […]